聴覚障害生徒に対する作図活動による論理的思考能力の育成に関する研究−多様な見方・考え方を引き出す教材の活用と作図操作の文章化−
Research on the Development of Logical
Thinking by Geometric Construction to Hearing-Impaired Students
中村好則・黒木伸明 Yoshinori Nakamura and Nobuaki Kuroki 本研究では、聴覚障害生徒の多様な見方・考え方を引き出す方略を「直線m上にない点Pを通り、直線mに平行な直線を引く」という作図問題を例に考察し、聴覚障害生徒の論理的思考能力を育成するための指導への示唆を得る。そのために、この「平行線の作図」問題の教材化を検討するとともに、作図操作の文章化とスモールステップの設定を指導の手だてとし、聾学校専攻科において指導実践を行い授業を分析した。その結果、平行線を引くという一見容易に見える課題を多様に解決することで、聴覚障害生徒の多様な見方・考え方を引き出すことができるとともに、今まで学習してきたことを体系的に関連付けることに有効であるとの知見が得られた。また、聴覚障害生徒の論理的思考能力の育成には、多様な見方・考え方を引き出す教材の活用と数学的操作の文章化が有効な指導の手だてとなるという示唆を得た。
キーワード:多様な見方
・考え方,論理的思考能力,平行線の作図,操作の文章化
聾学校における手話の使用状況に関する研究(2)
The Use of Sign Language in Schools for
the Deaf (2)
我妻敏博 Toshihiro Agatsuma