第43巻 第1号2001年4月


聾学校高等部生の大学進学について

The Guidance for Deaf High School Students to Enter Universities
坂井美恵子 Mieko Sakai 聾学校から高等教育機関への進学について考えるとき、いくつかの問題点がある。即ち、学習の遅れ、少数・個別指導等。現行の教育の中でどうすれば効率的に進学させられるか。坂井は高等聾学校での進学指導の経験から、生徒のニーズにこたえ、意欲を持たせるクラス指導、対応学習にするための教科指導の工夫、さらに生徒と教師自身の自己評価として職適検査等を活用することで、安定した進学指導の一方法について報告する。キーワード:進学指導,全員進学,授業中心主義,職業適性検査,自己評価

 


手指サインを取り入れた高度難聴児の言語発達について
Speech and Language Development in a Severe Hearing Impaired Child who Learns the Sign Language
下司実奈 Mina Geshi 

ひとりの高度難聴児が、言語を獲得する幼児期の過程を、4年間の実践を通して追ってみた。ゆうなぎ園では、聴能教育のみにこだわらず、その子どもに必要があれば、様々なメディア、口話・サイン・手話・指文字・書き文字も導入していこうと、職員間で話し合い、目標・方法・内容を検討しながら、また保護者とも何度も意見交換しながら、子どもにとって最良の方法をと考えてきた。
 年少児から手話や指文字を使用するのは、本児が初めてであり、日々の記録から、年間記録を毎年の担当者がまとめては、ケース会議で報告し、方針を検討してきたので、それらをまとめ、改めてトータルコミュニケーションということを検証してみる。

 


子どもへのデジタル補聴器の適用−特にアナログ補聴器からデジタル補聴器への変更の事例から−
Application of Digital Hearing Aid to Children with Hearing Impairment: Some Cases Converting Hearing Aid to Digital System
中瀬浩一 Koichi Nakase

デジタル補聴器の普及に伴い、メーカー等の広告を過信して購入を希望する保護者が見られるようになってきた。保護者との相談の際、デジタル補聴器の特徴を整理した上で、何を求めているかを把握する必要がある。コンピュータを用いて調整を行うデジタル補聴器が多い中、子どもへの適用にあたってはフィッティングソフトが提供する調整状態を仮調整として子どもからのきこえの要望を聞き出し、微調整を繰り返していく必要がある。
 
事例を通してアナログ・リニア補聴器からデジタル補聴器への変更を行う際の留意事項をまとめ、適用にいたるまでの検討事項をまとめた。キーワード:デジタル補聴器,フィッティング

 


正誤表
p.31 7〜9行(要約部分)
ケース会議で報告し、方針を検討してきたので、それらをまとめては、ケース会議で報告し、方針を検討してきたので、それらをまとめ、改めてトータルコミュニケーションということを検証してみる。
→下線部を削除

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